媒介契約の3つの種類とその特徴
専属選任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
複数の不動産会社と契約できるか? | 契約は1社のみ | 複数の不動産会社と契約可能。 | |
自分で買主を探すことは可能か? | × | 〇 | 〇 |
媒介契約の期間 | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 | なし (標準媒介契約約款を使用する場合は3ヶ月以内) |
レインズへの登録 | 媒介契約締結日の翌日から 5日以内 の登録義務あり。 | 媒介契約締結日の翌日から 7日以内 の登録義務あり。 | 登録義務なし |
業務状況報告の有無 | 7日に1回以上文書または電子メールで報告義務あり。 | 14日に1回以上文書または電子メールで報告義務あり。 | 報告義務なし |
媒介契約の更新 | 不動産会社との合意に基づき文書で申し出ます(自動更新契約は認められていません) |

専属選任媒介契約

専属専任媒介契約は、不動産会社1社のみに媒介の依頼できる契約で有効期間は3ヶ月以内(更新可)になっています。他の不動産会社と併せて媒介を依頼することができず、自己発見取引も禁止されている為、親族や知人などと直接交渉をするなど、買主を自分で見つけてきた場合も不動産会社を媒介として取引を行うことが契約で義務付けられています。
媒介契約の中で1番制約を受ける契約になりますが、不動産会社の義務も重くなり、不動産流通機構(レインズ)に、媒介契約を締結した翌日から5日以内に登録しなければならず、依頼を受けた不動産会社は依頼主に対して7日に1回以上の割合で販売状況の報告義務が課されています。
専任媒介契約

専任媒介契約は、専属専任媒介契約と同じく、不動産会社1社のみに依頼できる契約で、有効期間も3ヶ月(更新可)になります。また、他の不動産会社と併せて仲介を依頼することができない点も同様です。
専属選任媒介契約との違いは、自己発見取引が禁止されず、依頼者自身が発見した購入者(親戚・友人・知人など)に売却する場合は、不動産会社を仲介人とする必要はない点です。その代わりに指定産流通機構(レインズ)への登録義務が媒介契約を締結した翌日から7日以内になる点、依頼者への販売状況の報告義務が14日に1回以上になる点について不動産会社の義務も若干ですが軽くなります。
一般媒介契約

一般媒介契約は、専属専任媒介契約・専任媒介契約とは異なり、複数の不動産会社に仲介を依頼することができる契約です。また、自己発見取引も禁止されていないので、依頼者自身が発見した購入者(親戚・友人・知人など)に売却する場合は、不動産会社を仲介人とする必要はない為、媒介契約の中では依頼者にとって1番成約を受けることのない契約になります。その代わり、不動産会社の義務も軽くなり、指定流通機構(レインズ)への登録義務もなく、販売状況の報告義務もなくなります。
一般媒介契約では、契約期間については、売却の依頼者と不動産会社で自由に決めることができますが、国土交通省の定める標準媒介契約約款に基づく契約をする場合は、有効期間は3ヶ月以内(更新可)になります。
一般媒介契約の「明示型」と「非明示型」
その他、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2種類があります。
・明示型
明示型の場合は、他の不動産会社への同時依頼を契約で認めつつも、仲介を依頼した不動産会社には、他にどの不動産会社へ仲介を依頼しているかを通知する必要があります。
・非明示型
非非明示型の場合は、他の不動産会社に重ねて依頼しているのか、あるいは、どんな会社に依頼しているのかを不動産会社に通知する必要がありません。
「明示型」と「非明示型」の選択は、売却の依頼者と不動産会社で自由に決めることができますが、国土交通省の定める標準媒介契約約款に基づく契約をする場合は、「重ねて依頼をする宅地建物取引業者の明示」の記載がありますので、特約を結ばない限りは「明示型」になります。

まとめ
一般媒介契約の場合は、複数の不動産会社に同時に売却の依頼ができるので、不動産会社が競争して、販売活動をしてくれる可能性があるかもしれませんが、複数の不動産会社と対応するのは一般の方には大変です。また、複数の不動産会社に声をかけていること自体を嫌う不動産会社も多く、売却しづらい物件だと放置されていますかもしれません。
売却しづらい物件を依頼する場合は不動産会社の販売活動の報告義務やレインズへの登録義務がある専属専任媒介契約や専任媒介契約を選び、比較的、早く売却が見込めそうだと判断する物件は囲い込みが起らないように一般媒介契約を選択するなど、ケースにお応じて媒介契約を結びましょう。